ダクト清掃はなぜ必要?ダクトの種類や清掃の方法も解説

ダクトは外から見えづらく、掃除のタイミングが分かりづらいものです。しかしダクトの汚れを放置してしまうと、火災の原因となってしまうこともあります。とくに飲食店に設置されているダクトによる火災が増えています。

そのため、火災を予防するためには定期的な点検と清掃が必要です。この記事ではダクト清掃の重要性、ダクトの清掃方法などを解説していきます。

ダクト清掃の重要性

汚れた空気を外に流すための管を排気ダクトと言います。とくに厨房などにある排気ダクトは、調理時の匂いや煙を外に排出する働きがあります。ダクトは非常に汚れやすく、油などのしつこい汚れを放置すると掃除も非常に大変です。

ダクトの清掃を怠ると、以下のような影響があります。

  • 火災を引き起こす原因になる
  • 害虫の繁殖
  • 不衛生な環境による健康被害

とくに危険なのが火災の誘発です。近年飲食店などで「ダクト火災」と呼ばれる事故が多発しています。「ダクト火災」とは、排気ダクトに溜まった汚れに調理火が引火して、ダクト内で起こる火災のことです。

汚れを放置することによって、ダクト内に汚れがこびりつき、火災の延焼ルートとなります。排気ダクトは不燃素材でできており、メンテナンスされた清潔なダストであれば、火が移ってしまってもすぐに引火することはありません。

ダクトが原因となった火災の事例

東京消防庁の報告によると、ホテルレストランの厨房の排気ダクトから出火した事例があります。この事例は当初、煙は出ているものの、出火場所の特定に時間がかかりました。排気ダクト内での出火は炎が目に見えづらく、発見まで時間がかかります。

発見が遅れると、その分逃げ遅れる危険も大きくなり、被害も拡大しやすくなります。これらのダクト火災を予防するためには、定期的な清掃が欠かせないのです。

ダクトの種類

ダクトには種類があり、それぞれ違う役割があります。種類によって清掃方法も変わってくるため、ここで確認しておきましょう。

排気ダクト

排気ダクトは煙や汚れた空気を排出するための管です。排気ダストは飲食店の厨房や銭湯などで使われています。外に排出する時に、油や汚れも一緒に排気ダクトを通り抜けるため、一番火災の原因になりやすい部分です。そのため3ヶ月に1度は点検することをおすすめします。

換気ダクト

換気ダクトとは、換気扇からの空気を排気口へと送る管のことで、役割は外の空気と中の空気の入れ換えです。排気ダクトがないと、換気不足によって、カビや結露の原因になります。外の空気も取り入れるため、砂やほこりなどがたまりやすくなります。

空調ダクト

空調ダクトとは室内の温度を一定に保つために、外気を取り入れるダクト・循環させるダクト・排出するダクトなどの総称です。一般的に家庭ではエアコンディショナーのことを指します。

空調ダクトは一番手入れのしやすいダクトですが、ホコリがたまるとそれが室内に撒き散らされてしまうので、定期的な清掃が必要です。

ダクトの清掃方法

排気ダクトや換気ダクトの清掃は見えない部分も多く、1人での作業は難しくなっています。とくに厨房など広い場所は業者へ清掃を依頼するのがおすすめです。手の届く範囲の換気ダクトの入り口部分や、空調ダクトなどはご自身で点検・清掃を行えます。その場合は以下の手順で行いましょう。

1.換気扇の電源コンセントを抜き、通電していないことを確認する
2.グリスフィルターを取り外し、破損や腐食がないかを確認する

グリスフィルターとは、排気ダストに油が入らないように保護するフィルターのことです。表面に油や汚れが付きやすいため、月に1度は汚れ具合を確認しましょう。これを汚れたまま放置すると、そこに引火し、火災の原因になります。

3.ヘラ状の器具(スクレーター)を使い、汚れを掻き出す
4.中性洗剤を吹きかけ、タワシなどで擦る
5.雑巾で拭き取る

上記の手順で排気ダクトの入り口部分や空調ダクトの清掃ができます。しかし、排気ダクト内部などは外から確認することが難しく、しっかりと清掃ができません。とくに厨房などのダクトは汚れがたまりやすいため、年に1回ほどを目安に、専門の業者に清掃を依頼しましょう。

自分で清掃する時の注意点

自分で清掃するときは、作業を始める前に換気扇や近くの電気部品の電源を切りましょう。作業中に換気扇が回ってしまうと怪我をする可能性があるからです。さらに、洗剤や水が電気の基盤部分にかかってしまうと、そのまま通電してショートしてしまう危険があります。事前にシートで覆うなどの工夫をしましょう。また、高い位置での作業になるため、足場をしっかりと確保して作業を行いましょう。

まとめ

ダクトの定期的な点検と清掃は、火災を防ぐためにとても大切な作業です。衛生を保つためにも、年に1度は点検・清掃をするように心がけましょう。とくに飲食店の厨房や工場など、広い場所はダクトも見えづらく複雑なため、業者に清掃を依頼しましょう。 「株式会社藤川設備」では厨房の排気ダクトの清掃やフィルター清掃など幅広く対応しております。定期的な清掃、メンテナンスも承っておりますので、お気軽にご相談ください。